事前に容器包装に入れた食肉の表示ルール【パック包装品】
表示カードの内容に加えて、販売価格、消費期限、保存方法、加工所の所在地、加工者の名称などが必要になります。
【パック包装品の表示例】

①原産地 ②食肉の種類・部位、用途など ③牛の個体識別番号(国産牛のみ)
④100g当たりの単価 ⑤冷凍の表示 ⑥消費期限 保存方法 ⑦販売価格
⑧内容量 ⑨加工者の名称・所在地
【名称】
食品表示基準では生鮮食品は一般的な名称を表示します。
食肉の種類の名称は、「牛」等、一般的な名称を表示します。(「牛肉」等の表記も可能)
また、「食肉の表示に関する公正競争規約」に基づき、「牛かたロース」「牛もも肉」等と、食肉の種類名に加えて部位名を表示します。
2種類以上の部位を混合したときは、混合比率の高い順に部位を表示します。挽肉、こま切れ等食肉の性質上、部位の表示が困難な場合は、「豚挽肉」「牛こま切れ」等と、食肉の種類名と形態を組み合わせて名称とします。また種類と部位に、用途を加えて品名としてもかまいません。(牛ステーキ用、牛カレー用、等)
【原産地】
食肉の原産地は、国産ならば国産、輸入品ならば原産国を表示します。ただし、海外から生きたまま家畜などを輸入した場合は、条件により国産もしくは外国産になります。
①国産は国産、輸入品は原産国名を表示
国産の場合は「国産」、または主たる飼養地が属する都道府県名、市町村名、その他一般的に知られている地名を表示します。輸入品の場合は原産国名を表示します。
②国産か輸入品かの違い
海外で生まれた牛などを、国内に生体で輸入した場合は、最も長く飼養した場所(主たる飼養地)が原産地となります。
【例】アメリカで12カ月飼養した牛を輸入し、国内で18カ月飼養してしてから、と畜したもの ⇒ 国産となります。
③複数の原産地の食肉を混ぜた表示
複数の原産地の食肉を混ぜた場合は、重量の割合が多いものから順に、「米国産・国産」等と原産地を表示します。
④輸入品の場合
輸入食肉は、必ず原産国名を表示しなくてはいけません。 【例】アメリカ産、等
尚、USAなどのアルファベット表記は認められていません。また、海外の産地だけを表示すると、一般の消費者にどの国のことか分からないことがありますので、国名を表記した上で、産地を書きます。
⑤銘柄食肉と産地
松阪牛、近江牛、鹿児島黒豚など銘柄食肉には産地名をつけたものがあります。この場合は、国産品の表示を省略することができます。しかし、銘柄を示す産地と主な飼養地が必ず一致するとは限りません。このため、銘柄とは別に主たる飼養地を表示しなければいけません。
ただし、銘柄に冠された地名が主たる飼養地と一致する場合には、銘柄に冠されたその地名をもって、食品表示基準における原産地表示とみなします。
【内容量と価格、冷凍の表示】
①内容量と価格の表示
量り売りの場合は、表示カードに100g当たりの販売価格を表示します。その他に、1切、1枚、1個といった単位での価格も表示できます。
【例】 ステーキ 「1枚1,000円」 ※この場合でも、100g当たりの価格は併記します。
事前に容器包装した食肉は、内容量と100g当たりの単価、それに販売価格を表示ラベルに記載しなければいけません。100g当たりの単価を記載できない場合は、下札、置札に表示することも可能です。
※下札のサイズは、縦128㎜、横182㎜以上、置札は縦55㎜、横90㎜以上と決まっており、使用する文字は42ポイント以上の肉太文字です。
②冷凍の表示
冷凍した食肉には、「冷凍」または「フローズン」と表示します。冷凍した食肉を解凍したものには「解凍品」、凍結した牛の食肉は「凍結品」、 解凍した牛は「解凍品」と表示します。
【消費期限と保存方法、加工者の表示】
容器包装に入れた食肉は、消費期限または賞味期限、保存方法、加工者の名称・住所の表示が必要となります。食肉の表示ラベルに「加工日」を記載している場合がありますが、加工日は任意の表示なので、記載しなくても問題ありません。
【生食用食肉に関する表示】
①義務表示がある生食用の牛肉
対象となるのは牛の食肉(内臓は除く)です。いわゆるユッケ、タルタルステーキ、牛刺し、牛タタキが含まれます。これらを食材として調理し、販売される総菜もその範囲に含まれます。なお、ステーキは対象には入っていません。
②生食用食肉の表示ルール
表示内容は容器包装に入れない場合と、容器包装に入れた場合とでは異なります。