近年、食品アレルギーをお持ちの方が増加傾向にあり、その症状も多様化しております。
消費者が食品を安全に選択できるよう、食品事業者には正確かつ適切な情報提供が求められています。
このような背景を踏まえ、消費者庁は2025年1月21日に開催された「第7回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議」にて、食品表示基準の一部を改正し、特定原材料として「カシューナッツ」を新たに義務表示の対象に追加、特定原材料に準ずるものとして「ピスタチオ」を推奨表示の対象に追加する方針であることを発表しました。
これらの変更は、近年におけるカシューナッツおよびピスタチオによるアレルギー発症事例の増加、ならびにアナフィラキシーショックといった重篤な症状を引き起こす可能性が指摘されていることを踏まえたものです。
具体的な施行日や経過措置期間、詳細な表示基準については、今後発表される予定の消費者庁からの正式な通知をご確認ください。
食品アレルギーは、特定の食品に含まれるタンパク質などが原因で、免疫システムが過剰に反応し、様々な症状を引き起こすことがあります。
皮膚に発疹が現れる軽い症状から、重篤な反応を起こすものまで個人差があります。
特にアナフィラキシーショックは、全身にわたる激しいアレルギー反応であり、呼吸困難や血圧低下などを引き起こし、最悪の場合には生命に関わる危険な状態となることがあります。
令和6年発表)アレルギー症例6033例のうち、ショック症状が報告された586例において、原因食物ランキングは以下の通り。
順位
食物名(症例数)
1位
鶏卵(136件)
2位
牛乳(95件)
3位
クルミ(86件)
4位
小麦(77件)
5位
カシューナッツ(37件)
6位
落花生(34件)
7位
イクラ(23件)
8位
エビ(16件)
9位
マカダミアナッツ(13件)
10位
その他(69件)
調査期間:令和5年1月~12月の1年間
※消費者庁「令和6年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書」より
カシューナッツやピスタチオによるアレルギー反応においても、アナフィラキシーショックの発症事例が報告されています。
これらの食品に対するアレルギーを持つ方は、ごく微量の摂取でも重篤な症状を引き起こす可能性があるため、食品表示を通じて正確な情報を提供することが極めて重要となります。
また、アナフィラキシーショックの症状は急激に現れることが多いため、家族や自分自身がどの食品にどのようなアレルゲンが含まれているかを把握しておくことが非常に重要です。
新たなアレルギー表示の導入は、こうしたリスクを避けるための大きな一歩と言えるでしょう。

今回の食品アレルギー表示基準の改正は、消費者がより安全に食品を選択できるよう、食品事業者の理解と協力が不可欠です。
製品に使用している原材料を改めて確認し、カシューナッツおよびピスタチオの使用の有無、微量な混入の可能性についても精査してください。
また、新しい表示基準に基づき、正確な情報を表示するよう努めてください。
義務表示・推奨表示の対象とならないアレルギー物質についても、可能な範囲で自主的な情報開示に努めることは、消費者の安心・安全に繋がります。
アレルギーを持つ方々にとって、食品選びは命に関わる大切な決断です。
特にアレルギー反応が強く現れる場合、健康に深刻な影響を与えることもあります。
消費者庁をはじめ、関係省庁や食品関連団体からは、今後、新しい食品表示基準に関する詳細な情報やガイドラインが提供される予定です。
これらの情報を注視し、適切に対応していく必要があります。
弊社も、食品表示に関する最新情報を収集し、必要に応じてHPに掲載してまいります。
食品表示に関するご不明な点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。