「食品表示法」とは?
食品表示法とは、販売されるすべての食品に対して、表示を定めた法律のこと。
消費者が購入時に、成分や栄養素、製造元など安全性も含めた正確な情報を得る為に重要な表示です。2015年4月、「JAS法」「食品衛生法」「健康増進法」と分かれていた3つが統合されました。
食品表示お役立ちガイド | 食品表示の基本ルール
識別表示のルール | 食品表示お役立ちガイド-食品表示.com (maru-sin.net)
食物アレルギー患者の健康危害防止を目的としたものです。食物アレルギー表示制度は、食品表示法に基づく食品表示基準に規定されています。
食物アレルギーの発生状況や症状の重篤度など、実態の把握と結果を踏まえ、必要に応じた制度改正が行われています。情報が更新されるため、取りこぼしがないよう留意すべき制度です。
■2020年4月1日「食品表示法・食品表示基準の改定」
■2022年4月1日「原料原産地表示改定」
■2023年
3月9日改正・・・食物アレルギー表示「くるみ」義務化
表示ルールは、「推奨」から「義務」になり、食物アレルギーの表示基準が、“特定原材料に準ずるもの“から、”特定原材料” に変更されました。 これにより食物アレルギーの義務表示対象品目(特定原材料)は、「えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)」の8品目になりました。
2025年3月末日までに対応が必要です。
※「くるみ」についての記事は → こちら
消費者庁が、概ね3年ごとに「即時型食物アレルギーによる健康被害に関する実態調査(全国実態調査)」を実施しています。対象は臨床医等で、アレルギー症状の実態数などの結果を踏まえ、特定原材料とすべき食品について指定するものです。
『罰則の適用を伴う表示義務を課す場合には、その表示の適正性を確保するため、当局として監視可能性を確保できていることが必要となる』という観点から、公定検査法が確立されていることを前提として決められます。
表示の必要性が高い品目を、いかに消費者へ伝達できるかが重要なため、表示に効果が損なわれないようにすることが考慮されています。そのため、上記の全国実態調査の結果から追加と削除対象が決められています。
追加の際の考慮事項
・直近2回の調査結果で、即時型症例数が上位20品目に入っているもの。
・直近2回の調査結果で、ショック症例数で上位10品目に入っており、重篤度等の観点から別途検討が必要なもの。
削除の際の考慮事項
・直近4回の調査結果で、即時型症例数で上位20品目に入っていないもの。
・直近4回の調査結果で、ショック症例数が極めて少数であること。
消費者庁が2023年6月14日付けで発表した、「アレルゲンを含む食品に関する表示のうち、特定原材料に準ずるものの対象の考え方について」を参考に、今後の動向を見ていきましょう。
■追加候補の品目について(速報値)
『特定原材料に準ずるものへの追加候補品目』一覧表のうち、「即時型症例数の推移」では、義務でも推奨でもない品目で、4症例以上が認められた品目に順位付けした「即時型症例数の推移」では、マカダミアナッツが、直近2回の報告(報告年度2018年、2021年)共に20位以内に入っています。
マカダミアナッツは、「ショック症例数の推移」でも、上位に入っていることから、次の追加品目と予測されます。
■削除候補の品目について(速報値)
『特定原材料に準ずるものからの削除候補品目』一覧表では、「即時型症例数の推移」が20以内に入っていない品目と「ショック症例数」がゼロ件(きわめて少ない)という、2つの症例値を満たす品目は、「マツタケ」となっています。
まとめ
全国実態調査の結果を反映するかたちで更新される食物アレルギー表示。
アレルギー症状は、重篤となり命の危険も伴うものです。危機感をもって対応することが生産者の義務です。情報の取りこぼしがないよう気を付けましょう。