ステルスマーケティング(ステマ)とは、※以下ウィキペディア(Wikipedia)引用
消費者に広告と明記せずに隠して、非営利の好評価の口コミと装うなどすることで、消費者を欺いてバンドワゴン効果・ウィンザー効果を狙う行為。「ステマ」の略語で知られる。やらせやサクラなどもこの一例に分類される。映画などの映像の中に目視では認識できない短時間の画像などを挿入して脳内に刷り込む宣伝方法で、ステルス機のように相手に気づかれずに宣伝する手法が語源とされる。
噛み砕いて説明しますと…
ステルスマーケティング(ステマ)とは、企業側が自社商品の「宣伝広告」を行う際、消費者側に「宣伝広告」と気づかれないような手法を用い、宣伝・広告を行うマーケティング手法です。SNSなどの口コミであったり、☆の評価などを活用していることが多い、と言われています。
具体的には、
- 企業側(広告側)であるにも関わらず、商品・サービスについて「よかった」や「おすすめ」などの高評価をSNSに投稿し、商品の広告・宣伝を行う。
- 商品やサービスの比較ランキングに、企業名・広告である旨を明示しない
といった事例があります。
日本の広告費は、2011年には5兆7,096億円であったものが、2022年には6兆8,542億円(約120%の増加)となっており、今後も増加の傾向であります。中でも、インターネット広告費については、2011年に8,062億円であったのが、2021年には2兆7052億円(約335%の増加)となっており、日本の広告費の中で伸びが著しいものとなっています。
スマホの普及により、ネット通販の急速な拡大につられ、画面上で「宣伝広告」することが急増(企業側からすれば急務)し、また、消費者としても商品選択の際、口コミなどを基準にすることが一般的になったことから、ステルスマーケティング(ステマ)が多く見受けられるようになりました。
日本では、景品表示法(景表法)があり、同法の目的として、『消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為』を規制しています。広告であるにもかかわらず、それを隠す行為(ステマ)は、消費者に広告であると認識しない点で誤認を生じさせており、かつ、その誤認によって、本来の目的である『消費者の商品選択における自主的かつ合理的な選択を阻害する』ため、規制する必要がありました。2022年9月から消費者庁でも検討が続けられ、2023年3月にステマ規制の導入が決定されました。
現在、大手SNSプラットフォームなどでは、ステマ防止の為、広告案件は【広告】であることを明示して投稿することが一般的になっています。
たとえば、Twitterでは【#PR】【#広告】などで、その投稿が広告案件であることを表しています。Instagramでは、広告案件であることを表示できる【タイアップ投稿】という機能が搭載されています。
そういったプラットフォームの機能やルール、業界ごとの働きかけでステマを規制する動きはすでにありましたが、今回の指定告示が出るまで、景表法でステマそのものを規制することはできませんでした。
世界的に見ると、OECD加盟9か国のうち規制がないのは日本だけで、アメリカやイギリスではすでに、ステマは違法行為という認識です。
2023年3月28日、ステルスマーケティング(ステマ)を規制する「内閣府告示第19号」と、ステマ規制に関する実務上の指針となる「『一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示』の運用基準」が公表されました。これによって、2023年10月1日から、日本でもステマ規制が導入されることとなりました。
「内閣府告示第19号」の原文は下記の通りです。
○内閣府告示第十九号 不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)第五条第三号の規定に基づき、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示を次のように指定し、令和五年十月一日から施行する。
令和五年三月二十八日 内閣総理大臣 岸田 文雄
一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示 事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの
「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準の原文は下記より確認してください。
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms216_230328_03.pdf
ここまでで、マーケティング手法の一つである【ステマ】は、テレビCMなどより安価で広告出来、手軽で費用も抑えられます。また、インフルエンサーなどに商品を紹介してもらうことによって、【バズ】を狙え、認知拡大を図ったりする意味においては秀逸な手法です。
ただ、今回規制される目的は、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準の明確化です。
(告示は、事業者の表示であるにもかかわらず、第三者の表示であると一般消費者に誤認される場合を規制するものであることから、告示が対象とするのは、事業者の表示であるにもかかわらず、第三者の表示のように見えるものである。したがって、事業者の表示であることが一般消費者にとって明瞭である又は社会通念上明らかであるものは、告示の対象となるものではなく、告示は、そのようなものについての事業者の自由な広告・宣伝活動を阻害するものではない)(原文引用)
資料 https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms216_230328_03.pdf
つまり、消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっていないもの(「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準のP8~9のア~ク)の表現を避け、一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっているもの(「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準のP9のア~イ)の表現を使用していればステマ規制の対象にはならない、と考えられます。