お知らせ

輸出用商品の表示ラベル比較(EU編)

2025年8月25日

輸出用商品の表示ラベル比較(EU編)

目次

EUの食品表示ラベルについて

EUへの食品輸入におけるラベル表示は、「消費者への食品情報提供に関する規制」欧州議会・理事会規則(EU)No.1169/2011が施行され、EU市場で流通し消費者に販売される時点から輸入者もしくは販売者の義務が発生します。

【EUラベル必要項目について】

規則(EU)No.1169/2011で定められている、表示義務のある一般的な項目

  • 食品名
  • 成分リスト
  • アレルギー誘発物質
  • 特定成分の分量や成分の区分
  • 食品の正味量
  • 賞味あるいは消費期限
  • 特別な保管条件や使用条件(特にある場合)
  • 一部食品の原産国表示
  • 使用法(説明が必要な場合)
  • 使用方法(記載がないと適切に使用できない場合)
  • 実際のアルコール度数(度数が1.2%を超える飲料の場合)
  • 栄養表示

上記1項目が規則(EU)No.1169/2011で定められている、表示義務のある一般的な項目です。
また、特定のタイプ/カテゴリーの食品に対して、追加の必須項目と表示方法が付則されています。

追加的な表示義務がある食品(第10条・付則III)下記6項目
■ 特定タイプ/カテゴリーの食品

  1. ガス充填包装された食品
  2. 甘味料を含む食品
  3. グリチルリチン酸(またはそのアンモニウム塩)を含む食品
  4. 高カフェイン含有飲料またはカフェイン添加食品
  5. フィトステロール類、フィトステロールエステル類、フィトスタノール類、フィトスタノールエステル類を加えた食品および食品成分
  6. 冷凍肉、冷凍肉調整品、冷凍未加工水産物

日本とEU アレルギー項目の違い

EUと日本のアレルギーの表示は大きく分けて2点の違いがあります。

1. 対象品目

【日本】

義務表示(特定原材料7品目)推奨表示(特定原材料に準ずるもの20品目)に分けられています。

【EU】

義務表示のみで、推奨表示はありません

義務表示の対象(14品目)

  • グルテンを含むシリアル類(小麦、ライ、大麦、オートムギ、スペルト、カムートあるいはそのハイブリッド型、およびそれら製品)、ただし以下を除く。

    • デキストロースを含む小麦を原料とするグルコースシロップ(※)
    • 小麦を原料とするモルトデキストリン(※)
    • 大麦を原料とするグルコースシロップ
    • 農産品由来のエチルアルコールを含むアルコールを含んだ蒸留液の製造に使用されるシリアル類
  • 甲殻類およびその製品
  • およびその製品
  • およびその製品、ただし以下を除く。

    • ビタミンまたはカロチノイドの調製品のキャリアや香味料として使用される魚ゼラチン
    • ビール、サイダー、ワインの清澄剤として使用される魚ゼラチンまたはアイシングラス
  • ピーナツおよびその製品
  • 大豆およびその製品、ただし以下を除く。

    • 完全に精製された大豆油脂(※)
    • 自然混合されたトコフェロール(E306)、天然Dアルファ・トコフェロール、天然Dアルファ・トコフェロールアセテート、大豆を原料とする天然Dアルファ・コハク酸トコフェロール
    • 植物油製ファイトステロール、大豆を原料とするファイトステロール・エステル
    • 大豆を原料とする植物油ステロールから製造される植物スタノールエステル
  • およびその製品(ラクトース含む)、ただし以下を除く。

    • 農産品由来のエチルアルコールを含むアルコールを含んだ蒸留液の製造に使用される乳しょう
    • ラクチトール
  • ナッツ類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、くるみ、カシューナッツ、ピーカン、ブラジルナッツ、ピスタチオ、マカダミアナッツ、クイーンズランドナッツ)およびその製品、ただし以下を除く。

    • 農産品由来のエチルアルコールを含むアルコールを含んだ蒸留液の製造に使用されるナッツ類
  • セロリおよびその製品
  • マスタードおよびその製品
  • ゴマおよびその製品
  • 二酸化硫黄および亜硫酸塩(食べられる状態で供された、もしくは製造者の指示に基づいて調理された状態の製品について、SO2濃度10mg/kgまたは10mg/l超の場合)
  • ルーピンおよびその製品
  • 軟体動物およびその製品

※およびこれらを使用した製品日本では表示をしていれば目立たせて表示をさせる義務はありませんが、EUでは、他の成分と明確に見分けがつくようにフォントやスタイル、背景色などで強調表示をする必要があります。

日本とEU 栄養成分表示違い

EUと日本のアレルギーの表示は大きく分けて2点の違いがあります。

1. 義務表示項目

【日本】

下記5項目が義務表示です。

  1. 熱量
  2. たんぱく質
  3. 脂質
  4. 炭水化物
  5. 食塩相当量

【EU】

下記7項目が義務表示です。
日本の項目に加えて、飽和脂肪酸、糖類が必須となっています。

  1. エネルギー(カロリー)
  2. 脂肪
  3. 飽和脂肪
  4. 炭水化物
  5. 糖類
  6. たんぱく質
  7. ナトリウム

2. 表示単位

【日本】

栄養成分表示は、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の順に記載することが一般的です。

【EU】

記載の順序は日本と同じですが、100gまたは100mlあたりの含有量を表示することが義務付けられています。
また、ビタミンやミネラルを表示する際は、推奨1日摂取量に対する割合(%)も記載する必要があります。

最後に

日本とEUの食品表示の姿勢の違い

日本とEUの食品表示は、それぞれ異なる考え方に基づいています。

【日本】

消費者がアレルギーや栄養成分を正しく理解し、自らの意思で食品を選べるようにすることが主な目的です。

【EU】

消費者の健康を守ることをより強く重視しています。そのため、より直感的に食品の健康情報を把握できるような仕組みが導入されています。
例えば、任意ではありますが「容器包装前面表示制度(栄養)」(FoPNL: Front-of-Pack Nutrition Labelling)と呼ばれる、食品パッケージの前面に栄養情報を分かりやすく表示する制度です。
例えば、フランスで策定され、EU域内で広く採用されている「Nutri-Score(ニュートリスコア)」は、食品の栄養価をAからEまでの5段階と色で評価するシステムです。これは、糖分、飽和脂肪、塩分、カロリーといったマイナス要素と、たんぱく質、食物繊維、果物、野菜といったプラス要素を総合的に評価することで、消費者が一目で商品の健康情報を把握し、健康的な食生活を送るためのサポートをすることを目的としています。消費者の健康的な食生活を積極的にサポートしようとするEUならではの取り組みと言えるでしょう。

今回、日本とEUにおける食品表示ラベルを簡単にまとめさせていただきましたが、食品表示における法律の変更は常に行われていますので、常に最新の情報をご確認下さい。

■ 出典元
・2025年6月26日EU 貿易管理制度:EU輸入管理その他 食品ラベル表示、添加物に関する規制
・EU容器包装前面表示制度(FoP)に関する調査

お役立ち資料・動画

まとめて印刷したい方におすすめ!食品表示の基本知識集

食品表示における基本ルールや表示する際の注意点など、食品表示における基礎をわかりやすく解説します。

新食品表示の変更点
チェック表

「新食品表示制度」のチェック表を作成しました。漏れのないように、新表示に移行しましょう!

テイクアウトを始める方へ弁当・惣菜の食品表示

新型コロナの影響で、テイクアウトを始められた皆さまへ。弁当・惣菜の食品表示についてまとめました。

シール・パッケージ制作をご検討中の方へ

バナー:食品表示ラベル作成します バナー:食品表示ラベル作成します バナー:食品表示反映の箱作成します バナー:食品表示反映の箱作成します バナー:食品表示反映の包材作成します バナー:食品表示反映の包材作成します

食品表示.comのお役立ちコンテンツ

バナー:食品表示のお役立ち資料ダウンロードできます。 バナー:食品表示のお役立ち資料ダウンロードできます。 ラベル印刷・シール印刷.comをご紹介 ラベル印刷・シール印刷.comをご紹介
バナー:まずは知っておこう!食品表示の基本 バナー:まずは知っておこう!食品表示の基本 バナー:基本をおさえたら、次はこちら!個別の食品表示例 バナー:基本をおさえたら、次はこちら!個別の食品表示例

当サイトは、消費者庁の 「食品表示基準」 「食品表示法等(法令及び一元化情報)」 「食品表示基準Q&A」 「早わかり食品表示ガイド(事業者向け)」 を参照し作成しております。実際に食品表示ラベルを作られる際には、消費者庁で定められている食品表示基準を確認し、作成してください。 当ホームページに掲載された情報または、本ウェブサイトを利用することで生じた、いかなるトラブル・損失・損害などに対して、当社は一切責任を負いかねます。

消費者庁 食品表示企画課

ホームページ
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/

〒100-8958
東京都千代田区霧が関3-1-1 中央区合同庁舎4号館6F

消費者庁食品表示企画課

TEL : 03-3507-8800(代表)

食品表示の相談・被疑情報の受付窓口(各都道府県)

ホームページ
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/contact/prefectures/