2025年3月、「食品表示基準の一部を改正する内閣府令」が公布(同日施行)され、「食品表示基準」の一部が変更になっています。今回、変更になった内容は主に下記4つになりますので、どのように変更になったか?をまとめてみました。
1. 食べ物の「栄養」が、もっと分かりやすくなります!
新しいルールでは、
①原則として、あらかじめ袋や容器に詰められたほとんどの加工食品・添加物(食品の製造に使われる材料)に、栄養成分表示が義務化 [Source 194, 300]。
②食物繊維の表示方法がより明確になる
③ビタミンB群の測り方の追加 [Source 201_250328_1017, page 9]
消費者の皆さんが自分の健康に合った食品をもっと選びやすくなります。
2. 食材の「育った場所」が、もっと分かるようになります!
今回の改正により、
①日本で作られた全ての加工食品について、一番多く使用されている原材料が「どこで育ったのか(原産地)」を表示することを義務付け [Source 194, 300]。表示の原則は、重量の多い順に国名を表示する「国別重量順表示」 [Source 194, 300] です。
これにより、皆さんが「この国産の材料を使った食品を選びたい」といった希望に合わせて、より納得して食べ物を選べるようになります。
3. 「食品添加物」の情報が、より詳しく伝わるようになります!
2020年3月の「食品添加物表示制度に関する検討会報告書」 [Source 201_230629_03, page 7, Source 201_250328_1017, page 7] を踏まえ、
①栄養強化の目的で使われた添加物について、原則として表示の免除がなくなる [Source 201_230629_03, page 7, Source 201_250328_1017, page 7]
食品添加物の表示に関するルールが一部見直されることにより、皆さんが食べ物に含まれる添加物について、さらに詳しい情報を得て、安心して食べられるようになります。
4. 食品の安全を確かめる「検査」が、もっと信頼できるようになります!
①「栄養成分などの分析方法」「アレルギーを含む食品の検査方法」「安全性審査済みの遺伝子組換え食品の検査方法」など、検査を行う際の業務管理に関するルールの強化 [Source 194, 300]。
これにより、表示されている情報がより正確で信頼できるものとなり、皆さんが安心して食品を選べるようになります。
2025年3月28日に、この「食品表示」のルールが新しくなりました。なぜ今、このルールが変わる必要があったのでしょうか?その背景には、主に4つの大切な理由があります。ここでは、その背景について説明致します。
1. 食べ物の「栄養」が、もっと分かりやすくなります!
背景:
近年、国際基準を策定するコーデックス委員会や諸外国において、あらかじめ包装された食品への栄養成分表示を義務化すべきという考え方が広まっています。また、日本では厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準」の最新版(2025年版)の見直しが進められ、国民の栄養状況や生活習慣病との関連性に関する新しい科学的知見が増えています。
2. 食材の「育った場所」が、より正確に伝わるようになります!
背景:
食品の安全や品質、そして「どこで育った材料なのか」という情報に対する消費者の関心は年々高まっています。より詳しい産地情報へのニーズが増える中で、消費者の自主的・合理的な食品選択の機会を増やすことが求められていました。
3. 食品表示の「信頼性」がさらに高まります!
背景:
食品添加物については、これまで栄養強化の目的で使用された場合に表示が免除される規定がありましたが、より透明性の高い情報提供が求められていました。
4. 食品の安全を確かめる「検査」が、もっと信頼できるようになります!
背景:
食品表示の栄養情報、アレルギー物質、遺伝子組換えなどの情報は、様々な検査によって裏付けられています。これらの検査がいつも正しく、信頼できる形で行われることが、食品の安全を守る上で非常に重要です。
今回の「食品表示基準」の一部改正について、経過措置(表示変更の猶予期間)について、説明致します。
①栄養成分表示
令和7年3月28日施行。経過措置:令和10年3月31日(ただし、栄養素等表示基準値の改正に関する部分)。
②個別品目ごとの原産地表示
施行日・経過措置: 令和7年3月28日。
ただし、調理冷凍食品に関する規定は、施行:令和8年4月1日。経過措置:令和12年3月31日
③食品添加物に係る表示
令和7年3月28日施行。経過措置:令和12年3月31日。
1. 食べ物の「栄養」が、もっと分かりやすくなります!
今回の改正で、原則ほとんどの加工食品や添加物に栄養成分の表示が義務付けられました。これにより消費者が「この食品にはどれくらいの栄養素が含まれているか?」「自分に必要な栄養は摂れているか?」を判断、選びやすくなり、健康的な食生活を送れるようになることを目指しています。
2. 食材の「育った場所」が、より正確に伝わるようになります!
今回の改正で、原則国内で製造された加工食品のほぼ全てについて、一番多く使われている原材料(重量割合が最も高い原材料)の原産地を表示することが義務付けられます。「国産の材料を選びたい」「どこの産地のものか知りたい」といった希望に合わせ、より納得して食べ物を選べるようになります。
3. 食品表示の「信頼性」がさらに高まります!
この改正により、栄養強化の目的で使用される食品添加物の表示免除規定が見直されるなど、食品添加物の使用実態に即した表示が徹底されます。これにより、食品表示の情報がさらに正確で信頼性の高いものとなり、皆さんが安心して食品を選べるようになることを目指しています。
これらの新しい食品表示のルールは、私たちが毎日口にする食べ物が、より安全で、そして自分にぴったりのものを選べるようになるために作られた、とても大切な取り組みです。皆さんの食生活が、この新しい表示によってさらに豊かになることを願っています。
◼︎出典元:
消費者庁:食品表示基準について(令和7年3月28日消食表第289号)